偏見の壁

メゾン・ド・ヒミコ」を観た。延滞してしまった。2泊3日のレンタルなんて、とても中途半端だと思った。明日、ちゃんと返してくる。延滞料も払ってくる。

ゲイの人たちのための老人ホーム。実際にそんな施設が存在していても、決しておかしい話ではないなあ・・・と見終わってから思った。でも、もしも自分の父親がゲイだったらと考えてみると、想像し難い。でも、すごそうだ。

オダギリジョーはかっこ良く登場かと思っていたら、そうでもなくて(笑)あっさり出てきた。でも、逆にそれが良いと感じた。そしてとても切ない恋人だと思った。目を潤ませながら、欲望だけだと言う姿はヤバい。心がぐらぐらした。オダギリジョーは、何をしてもかっこいいと感じる私だった(今のところ)。好きだなあ。

柴咲コウは、気の強い女の人を演じることが多い。「GO」は違うけれど。気が強い柴咲コウを見ることがもう嫌だなあと思いつつも、これもいいなと思う。矛盾する。人と人との見えない壁が、ぼろぼろと崩れ落ちていって、心の距離がすっと縮まってしまう。ゲイだけではなくて、他の誰にでも当てはまること。偏見の壁が薄れていく時というのは、気持ちがいいものだ。

ゲイの人たちの人間性は、とてもあたたかい感じがして良かった。実際、ゲイの人がどんな感じなのかは分かりかねないのだけれど、こういうのは好きだ。

見たことも聞いたこともない話・映像なのに、するりと入ってくる。よく考えてみると、不思議な感覚だと気付いた。ゆったりとした流れがそうしているのかもしれない。

そして。映画版「ジョゼと虎と魚たち」の監督が「メゾン・ド・ヒミコ」の監督をしているのだけれど、この人は切なくしてしまう。あたたかいけれど、切なくて寂しくさせてくれる。「ジョゼと虎と魚たち」の結末は特にそうだった。でも、今回の結末は切ないけれど、やさしくしてくれた。それがちょっと嬉しいなあと思う。